第9号 2007年2月20日
★気温マイナス8℃!!




 

 雪が降らない、スキー場も営業できずに開店休業などという「地球温暖化」のニュースが聞こえていますが、うちの牧場は、例年同様、雪に覆われています。

  今朝は、マイナス8度。牛舎の中のウオーターカップ(給水器)にも氷が張っています。牛って、本当に寒さに強い動物ですね。

 
★新しい命の誕生








 

 今年に入って、6頭の新しい命が生まれました。

 この時期に出産には、いつも以上に気を使います。出産は、時を選びません。陣痛が始まると、母牛のそばに付き添い、異常がないか確認します。ジャージー牛は、人の手を借りることなく自分で分娩します。

  通常、胎児の向きが逆になっている場合などを除き、人が手を貸すことはほとんどありません。気になっても、じっと待つしかないのです。

 子牛が生まれるとすぐ、母牛はその全身を丁寧になめ回します。牛の舌はざらざらとしています。子牛の体の周りについている粘膜を取り去ることで体をかわかすとともに、体の血行をうながすためです。

  もちろん親子のコミュニケーションの面においても、それだけではない意味があると思います。子牛は、おぼつかない足取りですがすぐに起き上がり、母牛のそばでおっぱいに吸い付こうとします。

 気温が高い時期であれば、そのままでも大丈夫ですが、冬の間は人間がバスタオルなどでしっかり拭き取る手伝いをします。外気との温度差で子牛の体からは白い湯気が立ち上ります。

  うちの牧場では、赤外線ヒーターを導入しています。これを体にあて、体温が下がらないようにするのです。大事な子牛です。リスクを少なくするためには、創意工夫しながら常に新しいものを導入しなければなりません。

 
★「山吹色」それは初乳の色。








 

 そのあと、母牛のミルク(初乳)を与えます。3時間以内に与えなければなりません。
 写真でもお分かりになると思いますが、通常のものよりも濃い黄色をしています。脂肪分も6〜8%と非常に高い数値です。この中には子牛が病気をせずに成長するために必要不可欠な成分(難しい言葉で言うと抗病因子といいます)が含まれています。
 人間の赤ちゃんは、胎盤を通して抵抗力を授かります。しかし牛の場合は、そのほとんどを初乳から得るそうです。
 また、子牛は、2カ月間ほどは病気に対する抵抗を自分で作り出すことができないそうです。その間の病気に対する抗体は、生まれて2日間の間に飲んだ母親のミルクにより形成されるそうです。それほど初乳というものは大事なものです。まさに「命」のミルク、子牛に生命を吹き込むミルクといえるのではないでしょうか。
 私が、自分の牛乳のブランドに「山吹色」とつけたのは、この初乳のもつ不思議なチカラ、強い生命力に引かれたからでもあります。
 ご愛飲いただいている皆様にも、このパワーを少しでもお届けできたらと思っています。




★バックナンバー★
--------------------------------------
2007年1月17日号
2006年12月5日号
2006年10月、11月合併号

2006年9月20日号
2006年8月20日号
2006年7月11日号
2006年6月15日号
2006年05月10日号

--------------------------------------

ホームへ戻る